アイアンマンJAPAN2002を終えて
「食べ過ぎ?」
2002年5月30日

   奥田庸子


5月12日長崎県五島列島・福江島で行われたジャパン・アイアンマンに出場してきました。鉄人レースと呼ばれるこのレースはスイム3,8km・自転車(バイク)180km・ラン42kmを継続して行う競技です。私は5回目のアイアンマンを完走することができました。結果は女子4位、日本人女子トップで10時間20分でゴールしました。

see今回のレースのために昨年の11月から練習を開始し、ほぼ完璧の練習を積みレースに臨みました。私の練習は基本的に週7日です。月に2日ほど完全休養を取ります。
今までの経験から一番だと思われる調整、体重、食事をし大会当日を向かえました。
しかし結果は自分が納得できるものではありませんでした。アイアンマンは非常に奥が深く難しい競技だということを痛感しました。レースが終わった直後は痛みと気持ち悪さからもう二度とやりたくないと思うのですがすぐにその考えはどこかに行ってしまいます。やり終えた後の充実感はとても大きく、すぐに次のレースのことを考え始めてしまいます。

15時間の制限時間内に選手たちはゴールを目指します。「そんなに長い間何を考えているの?」という質問をよく受けます。以前私は皆さんが車を運転している時に考えていることと同じですよ、と答えていました。例えば対向車のこと、明日の予定、夕飯のことなど。今は・・・このレースを向かえるにあたってジム・レイヤー薯の「メンタルタフネス」という本を読みメンタルトレーニングを行ってきました。それにより得たことは「競技に集中しすべてを楽しむ」ということでした。

「マラソンは人生の縮図である」といった表現をした人が多くいますがこのアイアンマンも同じです。レース中には色々な事が起こります。個人種目のトライアスロンはどんなことが起こってもすべて自分で対処していかなければなりません。友達の平川さんは自転車のタイヤが3回パンクしたそうです。時間的なロスはもちろん、精神的な疲労は計り知れないものであったと思われますが彼はそれをちゃんと受け止めレースを楽しむことに専念したと話してくれました。今回の私の失敗の要因の一つは「食べすぎ」でした。前回のハワイ・アイアンマンではエネルギー不足でした・・・

women top53年前世界チャンピオンになったピーター・リード選手(カナダ)でさえ「まだやり足りないことがたくさんある、アイアンマンを極めていない」と言うのです。今回女子1位のポーラ・ニュービー・フレイザー選手(39歳!)は25回目のアイアンマン優勝を飾りました。彼女は
「一つ一つの経験が自分を大きく強くしていく」と話してくれました。

この競技は人生の縮図とは言ってもやり直し、再挑戦が可能です。本当の人生もやり直しができればいい?私はそうは思いません。今、私は幸せですし後悔しない人生を送るように精一杯楽しく生きています。私は好きなことを仕事にできてとても幸せだと思っています。しかし今回レースに応援に来てくれた姉の御和はアイアンマンを見てプロのトライアスリートという仕事を「絶対いや」と力を入れて言っていました。
もちろん幸せも価値観も人それぞれですから。それでもこんなに楽しくやりがいのあるトライアスロンを一人でも多くの人にトライしてもらいたいと願っています。

たくさんの応援&サポートをありがとうございました。

From東京   庸子